※ この記事は、書籍の内容を要約したものではなく個人的な読書感想です。
今回は、「ワークショップのアイデア張」ワークショップ探検部 著 の読書感想。
本の紹介
本書は、30パターンのワークショップの事例を、目的や段取り、かかる時間などを具体的に示しながら紹介しています。
イラストや写真・図がたくさん使用されており、読みやすく実践のイメージがつきやすい一冊です。
本を読んだ経緯
非常勤で伺っている高校にて、3コマの代講があり、「授業にワークショップ挟みたいな」と前々から思っていたので実施してみることに。
やりたいワークショップの方向性は幾つかあったのですが、いざ授業として組み立ててみると、「この段取りで円滑に進められるのか」「生徒全員が協力的に参加してくれる前提でグループワークを組むと失敗するのでは…」とだんだん不安に。
そこで、半年ほど前に購入し、ペラペラ見る程度で本棚にしまっていた「ワークショップのアイデア張」を取り出しました。
読書中に思ったこと
正直、以前この本をペラペラ眺めていた時は、自分にとって使える事例がないなと感じていました。
しかし、ある程度方向性が固まった上で「ワークショップのアイデア張」を読むと、プロが行なっている進行をカスタマイズできて良い。まさにアイデア帳といった感じです。
また、ほとんど遊びのような事例から、新人研修用のしっかりしたワークショップの事例を見ていく中で、『これはきっと、ファシリテーター力に全てが掛かっているんだろうな』と感じたことは大きな気づきでした。
例えが悪いかもしれませんが、
例えば、穴を掘って、その穴を埋めるという虚無作業でも、
- 「まずは地面に嫌いな上司の顔を描かいてください→ではスコップを持って…」といったような興味を惹きつけるための導入。
- 「10分で穴を埋めてください→あと5分です→あと1分です」という参加者の作業スピードを揃えるアナウンス。
- 「埋まった穴が平らになるようにジャンプしましょう。せーの!トントントン!」のような一体感のあるプチイベント
などファシリテーターが先導することで、ワークショップの時間を有意義と感じる人の割合は増えるはず。
自由すぎる時間を作らない事と、生徒同士のグルーヴ感を生む仕掛けを考えることが、特に中高生向けのワークショップでは大切なんじゃないかなと思います。
おわりに
代講授業では、ペルソナ作りのワークショップを実施しまして、無事円滑に進められました。
内容は、3時間15名ほどのイラストコースの学生に向けて行い
- 3枚の付箋に「年齢と性別」「性格」「職業」を書く
- 各付箋をシャッフルして再配布する
- ランダムで配られた3つの設定からキャラクター(バストアップ)を描く
- それぞれが描いたキャラクターの紙を回しながら「価値観」や「休日の過ごし方」などの設定を筆談形式でみんなで書き加えていく
- キャラクターの解像度が高まって、その人物の行動パターンや考え方がイメージつきやすくなってるね。という話をする
- これがペルソナですという話をする
という感じでした。
僕は特に筆談形式を授業に取り入れることが好きで、挙手生で静まり返ってしまうクラスでも、筆談形式はかなり意見が出てきて面白いです。
旅館のゲストブックをつい読み込んで、自分も何か書こうかなと思ったりするように、参加への敷居ぐっと下がる方法ですのでオススメです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。