本作品は、データから読み取れる内容を、クリエイティブなアイデアで表現することをテーマとした、QUICK Data Design Challenge 2023 ファイナリスト作品。
課題データ
日本、台湾、インドネシアを対象に2021年から毎週の気分を調査しまとめたものです。
出典:マクロミル調べ(Macromill Weekly Index Asiaより)
アジアの生活者の「今」がわかる
可動域パラメーターで「キブンの可視化」
データをアニメーションの可動域に割り当て、動きの比較を楽しむインフォグラフィックを制作。
アニメーション×インフォグラフィック
8つの感情のデータから算出した2ヶ月分の数値を、人型ピクトグラムの関節(頭/腕/胴体/脚)の可動域に割り当て、アニメーション化しています。
・頭は、上を向くほど「嬉しい」、下を向くほど「悲しい」
・腕は、振り幅が狭いほど「落ち着きがある」、広いほど「腹を立てる」
・胴体は、反るほど「楽しい」、前屈みなほど「不安」
・脚は、歩幅が狭いほど「憂鬱」、広いほど「わくわく」
感情のデータを、歩くアニメーションに入れ込むことで、直感的に『とぼとぼ歩いていて元気がなさそう』『常にハツラツとしている』など、気分の大枠を感じ取れます。
データを観察できる形へ
本作品の狙いとして、短いループのgifアニメーションを用いてSNSで目につきやすい形に落とし込むと共に、歩き方の比較やパーツごと動きの差から、観察者が疑問を抱き、元となるデータを調べたくなるという流れを生むことを狙っています。
例えば、
- インドネシアは最も大きなモーションで歩いているように見えますが、腕のみに注目すると日本の方が大きく振っています。
腕に何の数値が反映されているか疑問に持ち調べてみると、腹を立てるほど大きく振ることがわかります。そこから「日本人はストレスを抱え込みやすいのではないか」という結論が観察者の中に生まれます。 - 日本人は、年明けのお正月に「楽しい(fun)」の数値が急上昇するのに対し、台湾は年明けに不安を抱えていて、1月の中旬頃に楽しい気分になっています。
そこに疑問を抱いた観察者は、1月の台湾のニュースを検索し、何が起きていたのかを調べたくなります。
データをわかりやすい形にすることが主にインフォグラフィックの目的となりますが、制作者側の結論を押し付ける形ではなく、観察を促すインフォグラフィックの作成が、正しい情報と間違った情報の混ざり合うインターネットに求められるクリーンなアウトプットではないでしょうか。
本作品では、データを仕組みに置き換えることのみにフォーカスし、仕様書のようなレベル感に落とし込んでいます。