はじめに
文章に書かれた内容をイラストに起こす場合、文章の解釈や切り取り方、イラストならではの表現の有無により、読む人の感じ方や狙える効果が異なります。
例えばデザインの場合、『新生活応援セール』という見出しに対して背景画像を入れるのであれば
- 値下げしている商品を並べた画像
- キラキラとした一人暮らしの部屋の画像
- 可愛いチアリーダーが応援しているような画像
- 桜が咲いて花びらが舞うような景色の画像
などなど、複数の方法があります。
今回はその見せ方の分類に着目して、俵万智さんの一文
「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
を元に4つのイラストアプローチを紹介していきます。
1. シーンで表現
シーンとして空間を描くことで、読み手の想像をサポートします。
機能的な製品の訴求などによく用いられ、自分の事として考えやすくなり変化を感じさせます。
この方法が有効な使用例
- ロボット掃除機を購入し、お母さんは子供と遊ぶ時間が増えた
- 社内のパーティションを低くしたら、社員同士の会話が増えた
おすすめ用途 : オフィス用品の訴求、ビフォーアフター、よくある質問
2. 重要な要素を誇張
ポイントにフォーカスして誇張することで、キーワードを印象づけます。
具体的なモチーフが無く、ビジュアル面を完全にイラストレーターに任されている場合や、目的や方向性を指し示すための序章イラストに効果的です。
この方法が有効な使用例
- 朝までロックンロールナイト開催決定!
- 植樹で砂漠を緑にしようプロジェクト
おすすめ用途 : 長文記事の節目、一覧ページ
3. コトの流れをメインにした図解
大枠で仕組みを把握させ、その後の文章への理解を高めます。
要素が多く誤解を生む表現を避けたい場面や、誠実さを保ちながらもイラストを加えて分かりやすくしたい時に有効です。
この方法が有効な使用例
- コンビニ・スーパー・レストランどこでも使えるポイントカード
- 表示されたバーコードを印刷し、当日受付までお持ちください
おすすめ用途 : サービス紹介、新規登録・手続き、企業案内
4. 言葉と重複しないモチーフ
文章中のキーワードから少し離れたものや、時間軸の異なるものを描きストーリー性を含ませます。
文字情報とイラストが完全に一致しないことで、奥行きのあるエモーショナルな表現となります。
この方法が有効な使用例
- 2人の世界→1人しか描かない
- MUSIC LIFE→通勤中や授業中など変哲の無い情景
おすすめ用途 : コンセプト、CDジャケット