– Risograph like ver.3.05 –
今回の研究テーマは「リソグラフ印刷風」
リソグラフ印刷のような雰囲気の絵作り、最近はデジタル環境でもよく見かけますね!
\ ラジオで音声解説も聞けます!/
リソグラフ印刷風とは
シルクスクリーン印刷とコピー機の中間のような方法で印刷されるリソグラフ印刷。
限定されたインクの重なりと、アナログらしい暖かさとレトロ感のある魅力は、現代もたくさんのクリエイターに愛されています。
紙媒体にとらわれず、webデザインやロゴデザインなどのデジタル環境でも幅広く取り入れられ、昨今のグラフィックデザインのトレンドとしても注目されています。印刷ならではの位置ずれや色のムラ、輪郭の滲みまで踏襲することで、より表情豊かな表現となるでしょう。
※本記事では、「リソグラフ印刷『風』」と題し、印刷方法などには触れず、リソグラフの独特の外観や特性を模倣したデザインやグラフィックを研究していきます。
リソグラフ印刷風のポイント
1.厳選された鮮やかな色彩
色数を厳選し組み合わせによることで、より強いブランドビジュアルを作成することが可能です。
リソグラフらしさを求めるのであれば、赤/青/黄色などの原色に近い色彩のトリコロール配色が適しているように思いますが、緑/黄緑/黄色などの同系色を合わせても魅力的に纏まります。
デジタルでの制作時には、色ごとに「乗算」の効果をかけて色同士が重なり合うようにしてください。また、文字に黒系を使いたい場合には、乗算して生まれる暗めの色を採用するとビジュアルに溶け込みやすくなります。
「黄色部分の形、赤部分の形、その重なりから生まれている形」それぞれ成り立ちが視覚的に理解できることも、リソグラフ風の使い勝手の良さであり、図解やロゴデザインでの採用も効果的です。
2.ハーフトーンのグラデーション
ドットや線などの量を調整して作られたハーフトーンのグラデーションも特徴的です。漫画のトーンを張るような感覚で奥行きや陰影を表すと、よりリソグラフ印刷らしさを感じられます。
また、配色の少なく、オブジェクトの構造も理解しやすいため、異なるグラデーション同士を重ねても然程複雑にはなりません。思い切った組み合わせに挑戦しても良いかもしれません。
2.位置のズレ
インクの位置ズレも、レトロで温かみを感じ取れるリソグラフらしさの一つです。
個々の細かいパーツをランダムにずらすのではなく、配色ごとに思い切ったずらしが有効。重なりの部分は色が濃くなり目に止まるので、文字を扱う場合は、そのバランスが可読性のポイントとなります。
4.アナログらしい一手間
アナログ風の処理や細かな調整など、最後の一手間でよりグッと印刷物のイメージに近づけられます。
どこまでアナログらしくするかは、好みや掲載媒体のデザインテイストにもよりますが、もっと雰囲気を出したいと感じた場合、輪郭の滲みや塗りムラまで踏襲してみてください。
5.その他
リソグラフ印刷の作品をリサーチすると、下地の紙の色(背景色)を活かしたものが多かったように感じます。インク同士の関係性が視覚的に分かりやすい手法ですので、色の組み合わせを楽しみながら制作する意識が大切かもしれません。
また、組み合わせが分かりやすいという事から、例えば「リソグラフ印刷風のロゴを制作し、色別にハンコを作って重ねる」など、デジタルからアナログへの展開も視野に制作をしていくと、ブランディングできる領域が広がるかもしれません。
では最後に総括を!
色数を制限しながらも、重なりによって賑やかさも感じる手法ですね。ブランドカラーを守りつつ表現の幅を広げたい時に活躍しそうです!
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