– isometric ver.3.03 –
今回の研究テーマは「アイソメトリック」
あれ?遠近感はあるけど手前も奥もサイズ感が同じですね
規則的で不思議な図法だなぁ。
\ ラジオで音声解説も聞けます!/
アイソメトリックとは
アイソメトリック(等角投影図)とは、3Dの物体を2Dの平面に描画する図法の一つです。
この技法では、物体の3つの軸(x、y、z)の三方向を等しい角度とスケールで描くため、物体の奥行きを均等且つ立体的に表現することができます。
街づくりゲームのフィールドや、階層のあるフロアマップで用いられるほか、
全体像を俯瞰した絵作りの有用性から「建築の内装図」や「サービス内容の図解」など要素の絡み合った複雑な情報や位置関係を、一枚で表現したい場合に使われます。
1.説明力のある俯瞰図
アイソメトリックは立体物を平面に描画する図法の一つですが、一点透視や二点透視図法とは異なり、消失点が存在しない図法です。
これは、望遠レンズで遠くのものを見た際に、遠近感をほとんど感じられない現象と似た性質と言えます。
手前の物体と、奥の物体が相対的なスケール且つ位置関係を正確に表現できるため、説明的なグラフィック制作で非常に有効であり、設計図や構造の説明、ゲームのグラフィックなど、様々な場面でこの図法が利用されています。
2.自然なテキスト配置
アイソメトリックはテキストとも相性が良く、建造物や床の面に沿ってテキストを変形することで、簡単に文字をビジュアルに組み込むことが可能です。そのため、イラストの世界観を崩さずに文字情報を挿入でき、より情報密度の高いグラフィックを形にしていけます。
注意点としては、傾斜のかかった文字は可読性が下がるため、小さい文字や長文、装飾的なフォントの使用は適していません。
3.角度別の目線の高さ
アイソメトリックは一般的には30度の傾斜で作られますが、角度を20/30/40度で制作したサンプルを比較してみると、視点の高さが大きく変わります、
人の仕草などを分かりやすく表現したいときは視点を低く。エリアとして全体を見せたい時は視点を高くすると良いかもしれません。
また、アクソノメトリックと呼ばれる、片方を30度、もう片方を60度に設定したものもあります。制作を進める前に適した角度の検討し、より効果的な角度を探しましょう。
4.チームでの制作
アイソメトリックは、角度とトーン&マナーを共有することで、一定の統一感を確保しながらチームメンバーとの分担や引き継ぎや組み替えが可能です。
ヒトや植物の形状に関しては、作り手の個性が出やすいため、パーツの担当者を一任して制作することがおすすめです。
5.低工数で密度のあるグラフィック
オブジェクトを流用することで、より密度の高いグラフィックに仕上げられるのもアイソメトリックの特徴です。
大勢の人が集まるビジュアルは大変な工数がかかりますが、アイソメトリックであれば比較的短時間・低コストでの制作が可能です。
6. 制作で気をつけること
絵作りに関しては、線画でも面をフラットに着色したものでも、または手書きでも幅広く対応できて扱いやすいです。
注意点としては、角度の徹底があげられます。例えば30度で制作している中で、29度の物体が混ざるとビジュアルに違和感が生じてしまうので、制作の前段階でレギュレーションをしっかりと整えることが制作のポイントとなります。
では最後に総括を!
一枚で全体像を俯瞰できるアイソメトリック。「沢山伝えたいポイントがあるけど、見せ方に困っている」とお困りの方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか!
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